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「仕事の満足度」に対する経営者と従業員のギャップ

Business woman日経経済新聞社が、日経BP社の協力を得て実施した「働き方アンケート」。当アンケートは、「経営者対象」「従業員対象」の2本のアンケート調査が含まれています。

調査結果によれば、

「自社の従業員が仕事や働き方に満足している」

という設問に対する経営者の回答率は89.2%でした。

ところが、

「今の仕事や働き方に満足していますか」

という設問に対する従業員の回答率は58.4%にとどまっていました。

経営者と従業員の回答率は単純に比較できるものではないものの、それでも約30%ものズレがあります。

つまり、「仕事の満足度」についての認識には、経営者と従業員で大きなギャップがあるということが明確ですね。

雇用する立場としてはしばしば、「私は従業員を思って最大限のことをしている」という勝手な思い込みがあるものです。ですから、「わが社の従業員は充分満足してくれている(はず)」と考えたいのです。

しかし、お客様のために最大限の努力をしているつもりでも、実際の顧客満足度が低い場合もあるのと同様、従業員の評価がすべてなのです。

実際、従業員対象の

eNPS®(Employee Net Promoter Score:従業員ネットプロモータースコア)調査

を実施すると、現場スタッフ中間管理職の仕事満足度が低く、詳しくヒアリングしてみると、出るわ出るわ、たくさんの不平不満がスタッフの口から飛び出すことがほとんどです。

一方で、経営層になるほど自分自身の満足度が高くなる傾向も見られます。これは何を意味しているのでしょうか?

厳しい見方をすれば、

自己裁量権が最も大きい経営者が自分の満足度を最大化できるように組織を好きなように動かしている

からと推測できます。となれば、経営者の満足度向上のために、従業員の満足がある程度犠牲になってしまうのも当然の結果でしょう。

経営者も人の子。自分が一番かわいい。自己の利益を最優先で追求したくなるのは仕方のないことです。だからこそ、従業員の本当の気持ちをeNPS調査を定期的に実施することで把握、ありのままの現実(経営者が目を背けたくなるような内容)を直視して、従業員満足、従業員向上のための的確な施策を打つべきだと私は思っています。

*「働き方アンケート」の結果は、日本経済新聞(2015/01/05)の記事から引用しました。

執筆:松尾順 Certified Net Promoter Expert

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