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心に笑顔が生まれるような職場ですか?

joyful customer某大手理容室チェーンでは最近、次のようなスローガンが壁に貼られています。

「私たちは笑顔で接客します」

おそらく、本部主導の接客力向上施策の一環なのでしょう。

しかし、残念なことにそのお店の理容師さんは全員マスクをしているのです。衛生上の理由でマスクしているんだと思いますが、会社としてマスク装着を義務付けているのか、あるいは個人的な判断かはさておき、マスクをしているとほとんど表情がわかりませんね。

このため、せっかく「笑顔で接客します」と高らかに謳ったところで、お客さんとしては実際そうなのかどうかは判別しにくいわけです。

接客スタッフが「笑顔」で働くことは、顧客に対して好印象を与え、顧客満足度、顧客ロイヤルティ向上に大きな効果があります。

したがって、「笑顔で接客」という方針を打ち出し、強化すること自体は必要なことです。ただ、上記理容室チェーンのように、職場の実態を無視した施策は空虚であり、究極の目的である「顧客ロイヤルティ」向上につながりにくいものとなります。

とはいえ、私は思うのです。たとえ、マスクのために表情がわかりにくいとしても、従業員が活き活きと仕事に打ち込んでいるか、やりがいを持って楽しく仕事をやっているかは、スタッフの所作、目線、声のトーンなどで敏感に感じることができるものです。

おそらく、やりがいを持ち、活き活きと働いているスタッフ、働くことに楽しさや喜びを感じているスタッフは、強制されなくてもマスクの下で自然な笑顔をお客さんに向けているはずです。

企業として本当に大事なことは、心のこもらない「作り笑い」を招きかねない表面的なスマイルキャンペーンではなく、スタッフの心の中に笑顔が生まれるような、働きやすい職場環境、風通しが良い円滑なコミュニケーション、お互いに積極的に助け合うチームワーク、適切な評価報酬やインセンティブ施策といった「従業員エンゲージメント施策」の徹底ではないでしょうか。

心が笑顔のスタッフは、たとえマスクをしていて表情が隠れていたとしても、気持ちの良い接客でお客様を満足させ、あるいは感激させ、結果として顧客ロイヤルティの向上につながるに違いありません。

 

執筆:松尾順 Certified Net Promoter Expert

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