利用客の潜在ニーズを解決した「タートルタクシー」

taxi calling

「タートルタクシー」ってご存知でしたか?

三和交通株式会社(本社:神奈川県横浜市)が2013年末から展開した新しい車両です。

「タートル=亀」という名称から想像できる通り、利用客の要望に応じてゆっくりと走るタクシーです。

当初10両で開始したこの新サービス、高齢者や妊婦さんなどに人気で、三和交通の全車両の15%に相当する80両まで増車しているとのこと。

このサービスが受けた理由は、助手席の裏に設置された「ゆっくりボタン」です。乗車したお客さんが、「もう少しゆっくり走って欲しいな」と感じたら、このボタンを押す。

そうすると、車内前方のカメのマークのプレートが表示され、これを見た運転手さんはスピードを落とすという仕組みです。

わざわざ「ゆっくりボタン」なんかつけなくても、「ゆっくり走ってください」と言葉で伝えればいいじゃないかと思うところですが、実はなかなか口に出せないものです。三和交通の運転手さんの接客力がどの程度高いかわかりませんが、一般的にタクシードライバーといえば、対応がそっけなくて何か頼むのがはばかられるオーラだしてますから。

三和交通社長、吉永永一氏によれば、「急いでないからゆっくり走ってほしい」「お腹に子どもがいるから、安全で丁寧に走ってほしい」「体調が悪いからあまり揺れないようにしてほしい」といった「ゆっくりニーズ」は意外と多いようです。おそらく何らかの調査結果だと思いますが、タクシー利用者の4人に3人が、「ゆっくり走って」と感じたことがあるのです。

本来、運転手さんの接客力を高めること、より具体的に言えば、利用客の様子をしっかり観察して、「ゆっくり走りましょうか?」と提案できる「気配り力」を高めるための教育研修を行うことが、顧客満足、顧客ロイヤルティをより向上させることにつながるとは思います。

しかし、まずは顧客の潜在ニーズを充足するための手っ取りばやい方法として「ゆっくりボタン」を設置したのはすばらしいアイディアですね。三和交通さんに対しては、このボタンが不要になるくらい、ドライバーさんの接客品質を高める努力をされることを期待したいところです。

なかなか要望を口に出せない人のために「ボタン」で意思表示する方法って、他の様々なサービスでも応用できそうですね。

*上記内容は、日経MJ(2014/12/19)の記事から引用しています。

⇒ タートルタクシー Webサイト

 

執筆:松尾順 Certified Net Promoter Expert

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