女性と自動車

カスタマーエクスペリエンスを「品質管理」の視点から見るとおもしろいかも!

女性と自動車「顧客ロイヤルティ」の向上のためには、理想的にはあらゆる顧客接点=タッチポイントでの顧客体験を最適化を目指すべきでしょう。

しかしながら、経営資源の制約がありますから、NPS®(Net Promoter Score:ネットプロモータースコア)との相関分析に基づき、優先順位の高い顧客体験の改善から取り組んでいくことになります。

さて、顧客体験の改善とは、別の視点で見れば「サービス品質」のアップに取り組むことですから、従来、主にメーカーなどで活用されてきた「品質管理(Quality Control)」の枠組みが援用できます。

品質管理手法の中でも、特に「サービス品質」に適用することが有効だと考えられるのが「狩野モデル」です。

狩野紀昭氏(東京理科大学名誉教授)が開発し、「魅力的品質、当たり前品質」で知られる狩野モデルについて簡単にご紹介しましょう。

「狩野モデル」は、製品にとって不可欠(当たり前品質)な要素と、競合製品との差別化要因(魅力品質)となる要素を区別したシンプルな顧客満足モデルです。

「当たり前品質」とは、文字通り「あって当たり前」の要素です。

自動車で言えば、アクセルを踏めばちゃんと走る、ブレーキを踏めば止まる、ハンドルを回せば曲がる、といった基本機能のこと。

「当たり前品質」が備わっていたところで、顧客が満足することはありません。当たり前すぎるからです。しかし、この「当たり前品質」が低いと、大きな不満足をもたらします。顧客が当たり前と感じているからですね。

一方、「魅力的品質」は、これがなくても顧客が不満になることはありませんが、もし、「当たり前品質」に加えて「魅力的品質」が備わっていたら、それは顧客に大きな満足、喜びをもたらす可能性があります。

自動車なら、「カーナビ」や、「バック時に車体後方が見えるビデオカメラ」「衝突被害軽減ブレーキ(いわゆる「ぶつからない」機能)」などが魅力品質となります。

ただし、以前は魅力的品質であったとしても、普及が進むと「あたり前品質」としかみなされず、満足を高めることにはつながらなくなる要素もありますね。「カーナビ」は、もはや「当たり前品質」でしょう。

さて、狩野モデルではあと3種類の品質があります。

すなわち、「一元的品質」、「無関心品質」、「逆品質」の3つです。

・一元的品質

品質の良し悪しに応じて顧客満足度が上下する要素です。

自動車であれば、「燃費」や「車内空間」です。基本的に、燃費は良いほうが、また社内空間は広い方が満足度は高なりますね。

・無関心品質

品質の変化が、多くの場合、顧客に気づかれないために、顧客満足度に影響を与えない要素です。

たとえば、自動車のトランク奥に小さいキズがあったとしても、顧客は気づかないし、仮に気づいても顧客満足度が低下する可能性は低いですね。

・逆品質

これは、顧客によって主観的な評価が異なるような要素です。例えば、自動車の「デザイン」や「色」は人によって好みが違いますね。「逆品質」という表現はピンときませんが、企業側で品質の良し悪しを規定できないという意味でしょう。

以上ご説明した「狩野モデル」の5つの品質分類(当たり前品質、魅力的品質、一元的品質、無関心品質、逆品質)を自社のサービスや事業に当てはめてみたらどうでしょうか?

自社サービスにおける顧客体験が、どの品質に該当するのか分類してみること、また実際にNPSとの相関を見ることで、より明確な顧客ロイヤルティ向上施策の優先順位づけが可能になるのではないでしょうか?

 

執筆:松尾順 Certified Net Promoter Expert

Net Promoter®およびNPS®は、ベイン・アンド・カンパニー、フレッド・ライクヘルド、サトメトリックス・システムズの登録商標です。
Net Promoter®and NPS®are registered service marks of Bain & Company, Inc., Fred Reichheld and Satmetrix Systems, Inc.