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「顧客ロイヤルティ」向上施策の優先順位づけはどうすればいいでしょうか?

joyful customer「顧客ロイヤルティ」向上のためには、お客様と企業のあらゆる接点=タッチポイントにおける全てのカスタマーエクスペリエンス(顧客体験)をより高い水準に引き上げるための努力が必要です。

ただし、企業には予算や人材など資源の制約がありますから、全ての顧客体験の改善を同時に行うことは困難です。したがって、顧客ロイヤルティ向上施策に取り組むに当たっては、

「どの顧客体験の改善が顧客ロイヤルティ向上により効果的か?」

を見極めて「優先順位づけ」を行い、予算配分や人材配置にメリハリをつけることが重要なポイントになります。

様々なタッチポイントにおける、個々の顧客体験が、どの程度顧客ロイヤルティの向上・低下に影響があるかを把握するためには、NPS®(Net Promoter Score:ネットプロモータースコア)を核とする顧客満足度調査の分析を行うことにより、定量的に把握することができます。

分析方法を簡単に説明しましょう。

基本的には、NPSの「推奨意向度合い」と、個々の顧客体験についての「満足度評価」との間の関係性の強さを見るため、「相関分析(回帰分析を用いることもあり)」を行います。そして、「相関係数(回帰係数)」が大きい顧客体験ほど、より大きな影響を推奨意向に与えていることがわかるのです。

推奨意向に与える影響度合いが大きいということは、その顧客体験をちょっと改善しただけでも、推奨意向が大きく向上する可能性が高いことになります。ですから、そうした顧客体験の改善には予算・人材を重点配分すべきでしょう。

逆に、推奨意向に対する相関が低い=影響度が低い顧客体験は、いくら改善したところで推奨意向に対してはあまりインパクトがないと考えられるわけです。つまり、顧客ロイヤルティ改善効果が弱いので、とりあえず現状維持で最低限の予算・人材配分を行えばよい、ということになります。

このように、様々なタッチポイントでの顧客体験改善のための予算・人材配分を最適化することは、顧客ロイヤルティ向上を目指しつつ、同時に無意味なコストを削ることにもつながりますので、利益率の維持・向上も期待できるのです。

 

執筆:松尾順 Certified Net Promoter Expert

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