「エンゲージメント」と「ワーカホリズム」はどう違うんですか?

笑顔のビジネスマン「従業員エンゲージメント」が高い状態にあるスタッフは、仕事にやりがいを感じ、仕事をやるのが楽しいため、熱意をもって活き活きと仕事に取り組みますし、時間が経つのを忘れるほど仕事に没頭してしまうことが多いようです。

このため、規定の終業時間を超えて長時間労働をしてしまうことにもなりがちです。

これは、傍目から見ると「働き過ぎだね、ワーカホリック(仕事中毒)かな?」などと思われるかもしれません。しかし、「エンゲージメント」と「ワーカホリック」は明確に違います。

ワーク・エンゲージメントやメンタルヘルス研究の第一人者である島津明人氏(東京大学准教授)によれば、仕事をやっているときの気持ちが「快」なのか、「不快」なのかによって、エンゲージメント、ワーカホリックが区別されます。

エンゲージメントが高い人、ワーカホリックな人もどちらも、仕事に熱心に取り組んでいる点は同じです。つまり、どちらも活動水準は非常に高い状態にあります。

しかし、エンゲージメントが高い状態とは、ポジティブな気分、すなわち仕事が楽しく、仕事を通じて喜びの報酬が得られるので「やりたくてしょうがない」という気分で働いているのに対し、ワーカホリックの人はネガティブな気分、すなわち不安や焦りなどから「やらずにはいられない」という気持ちで長時間働いてしまうのです。

つまり、エンゲージメントの高い人は、「働く喜び」がモチベーションになっていますが、ワーカホリックの人は、ある種の「強迫観念」が仕事に熱中する原動力になっているわけです。

エンゲージメントが高い人は長時間働いたからといって健康を害するようなことはありませんし、その気になればいつでも仕事を離れて休息し、リラックス状態になることができます。

しかし、ワーカホリックの人は、自分ではなかなか仕事から離れることができず、自分の限界を超えて働くため、いつしかバーンアウト(燃え尽き)し倒れてしまう可能性が高いのです。

企業側としては、エンゲージメントを高めることで、従業員が仕事に楽しさ、喜びを感じながら働いてもらえるような労働環境を整備したいところですし、逆に、従業員をワーカホリックに追い込んでしまうような労働環境や精神論は避けたいものです。

なお、エンゲージメントが高くて長時間労働をしてしまっても、健康状態は悪化しませんが、家庭状態の悪化は防ぐことは難しいので注意が必要です。(^^)

work engagement and related concepts
出所:ワーク・エンゲイジメント――組織を元気にする“攻め”のメンタルヘルス対策とは(日本の人事部)

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執筆:松尾順 Certified Net Promoter Expert

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