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「従業員エンゲージメント」はどのように測定するんですか?

オフィスイメージ今日は、「従業員エンゲージメント調査」における調査項目についてお話しましょう。

従業員エンゲージメントは、ひとことで言えば、自分の現在の仕事・会社において、働くことにどれだけ「幸せな感情」を抱いているか、ということです。

とはいえ、「従業員が抱く幸せ感」はあくまで抽象的な概念であり、従業員エンゲージメント調査で「今の会社で働くことは幸せですか?」というダイレクトな質問を投げかけるわけではありません。

従業員エンゲージメント調査の目的は「エンプロイーハピネス(従業員幸福)の追求」、すなわち、「従業員が幸せと感じられる会社・職場とするために必要な改善点を発見する」ということにはなりますが、調査項目としては様々な切り口の設問から構成されるものとなります。

さて、従業員エンゲージメント調査で測定する項目は、大きくは以下の3種類に分けられます。

・エンゲージメント総合指標

・エンゲージメントレベル指標

・エンゲージメントドライバー指標

では、それぞれについて簡単にご説明します。

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1.エンゲージメント総合指標

従業員に今の会社・職場・仕事に対する総合的な評価を聞く設問です。これには、以下のようないくつかの聞き方があります。

(1)あなたは、職探し中の友人知人に対して、自分の会社にどの程度入社を勧める可能性がありますか?(eNPS)

(2)あなたは、総合的にみて自分の会社にどの程度満足していますか?(総合満足度)

(3)あなたは、自分の会社でどの程度ずっと働きたいと思いますか(継続勤務意向)

実際の調査項目としてはこれら3つをすべて聞く必要はなく、(1)のeNPSを聞くだけで十分です。ただ、同時に(3)継続勤務意向を聞いておいて、eNPSとの相関を検証するのもありでしょう。

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2.エンゲージメントレベル指標

これは、従業員がどの程度ポジティブな感情を持って仕事に取り組んでいるかを測定するもので、私は、「従業員の気持ちの熱さ」のレベルを表すものです、と説明しています。「松岡修造度指標」と言えばもっとわかりやすいでしょうか?

これについては、すでにしっかりとした研究に基づく調査項目が既に存在しています。ユトレヒト・ワーク・エンゲージメント尺度(UWES©)です。

UWESは、「熱意」、「没頭」、「活力」の3つの視点で組み立てられています。仕事に誇りや、やりがいを感じている状態を「熱意」、仕事に熱心に取り組んでいる状態を表す「没頭」、仕事から活力を得て活き活きとしている状態を「活力」と表現し、この3要因がそろっている状態を「エンゲージメントの高い状態」と呼びます。

そして、エンゲージメントの高い状態において、従業員は高品質・高効率の業務を行うことができるということですが、これはまさに「仕事に対して幸せな感情を抱いている」状態にほかなりません。

UWESを測定するための設問は17項目(簡略版は9項目)あります。以下に1部のみご紹介します。これらの設問に対して従業員には5段階スケールなどで回答してもらいます。

(1)仕事をしていると活力がみなぎるように感じる(活力)

(2)自分の仕事に、意義や価値を大いに感じる(熱意)

(3)仕事をしていると、時間がたつのが速い(没頭)

エンゲージメントレベル指標、およびUWESについては改めて、別のブログ記事にて詳しくご説明します。

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3.エンゲージメントドライバー指標

エンゲージメントドライバー指標は、従業員の「エンゲージメント状態の高さ」を左右する要因であり、また、最終的には「エンゲージメント総合指標」を決定する要因となるものです。

これは言い換えると、

従業員に対してどれだけ優れたエンプロイーエクスペリエンス(従業員体験)を提供できているか

を測定するものだと言えます。

エンゲージメントドライバーは大きくは以下の3種類に分けられます。

(1)組織ドライバー

従業員が業務を行うことに対して影響を与える組織の状態(人間関係や職場環境、評価報酬制度など)

(2)職務ドライバー

従業員のポジションによって異なる仕事そのものの特徴(ルーティン度や難易度など)

(3)個人ドライバー

従業員が業務を行うことに対して影響を与える個人的な資質(自己効力感やレジリエンスなど)

上記それぞれのドライバーに関わる設問は合計すると数10問に上りますので、当記事では省略します。

エンゲージメントドライバー指標として、現在の職務内容との適合度や上司、同僚とのチームワーク、職場環境の良し悪し、労働条件・実態、トップマネジメントの示すビジョン、ミッション、また個々人が持つ資質など、個別の項目について従業員の評価を聞くことで、エンゲージメントを向上させるための課題、問題を発見することに役立てます。

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執筆:松尾順 Certified Net Promoter Expert

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