従業員エンゲージメントを高める要因=「エンゲージメントドライバー」とは?

オフィスイメージ従業員エンゲージメントに対する関心は近年、世界的にもますます高まりつつあるようです。

さて、従業員エンゲージメントは、ひとことで言えば、

従業員が働くことに「幸せな感情」を抱いてる状態

のことです。

より具体的には、高い熱意や活力を持ち、没頭してで仕事に取り組んでいる状態であり、次のような行動となって現れます。

 ・お客様に対してほがらかで活き活きとした態度で接することができる
 ・お客様に喜んでもらうために、自分の役割以上のことも進んで行う
 ・お客様に喜んでもらうために、指示命令されないことでも進んで行う
 ・テキパキと仕事をこなし、高い生産性を維持する

結果として、エンゲージメントが高い従業員に接したお客様の満足度は高い水準となり、「顧客ロイヤルティ」向上につながります。

したがって、顧客ロイヤルティを高めたければ、まずは「従業員エンゲージメントの向上」が最も重要な経営課題であるということから、関心がますます高まっているのでしょう。

さて、従業員が働くことに幸せな感情を抱ける背景には、従業員が自分の会社・職場に対して精神的なつながり=絆を感じているから、ということがあります。わかりやすく言えば、「自分の会社が好きだ、愛している」という気持ちを持っているということですね。

では、従業員にこのようなポジティブな感情を持ってもらう、つまり従業員エンゲージメントを向上させるためには、企業としてはどんな点を改善すべきなのでしょうか。

これは、「従業員エンゲージメント向上に影響を与える要因=エンゲージメントドライバーは何か」ということです。

従業員エンゲージメントドライバーについての研究は様々行われており、万人に受け入れられる確立した理論はまだありません。ここではひとつの理論として米国の人材・組織コンサルティング会社、Human Resources Solutionが提唱する10個のエンゲージメントドライバーをご紹介しましょう。

1 認知 Recognition

自分という個の存在を認めてくれているか、自分の業績をしっかり評価してくれているか、、すなわち「承認欲求」がどの程度充たされているかです。

2 キャリア開発 Career Development

仕事を通じて、自分の能力が高まる、新たな知識はスキルが身につくということは大変うれしく、やりがいの素となります。「成長欲求」がどの程度充たされているかと言えます。

3 直属の上司のリーダーシップ能力 Direct Supervisor/Manager Leadership Abilities

個々の従業員の「認知」や「キャリア開発」の一番の責任者は、直属の上司。上司から認められること、成長の機会を与えられることは、その会社・職場にたいする絆を感じる上で最も大切です。

4 戦略と使命 Strategy and Mission

目先の仕事だけでなく、企業全体としてどのような戦略を持ち、どんな使命を果たそうとしているのか、それに対する共感が、企業に対するきずなを生みます。とりわけ、企業全体の戦略や使命に対して、1人ひとりの従業員はどんな役割、貢献ができるのかを理解している従業員は、積極的に仕事に取り組むものです。

5 職務内容 Job Content – The Ability to do what I do best

職務内容が、自分の興味・関心を持てるものであったり、強みや得意が活かせるものであれば、成果がでやすいですし、ワクワクと働けます。

6 上級マネジメント層と従業員との関係 Senior Management’s Relationship with Employees

直属の上司だけでなく、社長や役員が何を考えているのか、現場の従業員にとってもそれを知ることができるのは、会社全体の戦略や使命をより深く理解する上でも必要なことです。

7 オープンで効果的なコミュニケーション Open and Effective Communication

言いたいことが言い合える職場、情報が共有されていて業務が円滑に進められる状況は、従業員にとっては大変働きやすい職場と言えます。

8 同僚についての満足や協調 Co-worker Satisfaction/Cooperation

働く仲間をお互いに良く知り、協調して働ける職場ではチームとしての効率、効果が高まります。これは、オープンで効果的なコミュニケーションと密接な関係があります。

9 仕事を効果的に遂行するために必要な資源入手の容易性 Availability of Resources to Perform the Job Effectively

仕事をきちんとするために必要な道具や情報がすぐに手に入る仕事環境は、当たり前のようで実は必ずしも簡単なことではありません。他部門が持つ顧客情報がすぐに手に入らないがゆえに、お客様に余計な手間をかけさせてしまう、仕事がまわらないといったことはしばしば起きます。

10 組織文化 Organizational Culture – Diversity Awarenss and Inclusion, Coporate Social Responsibility, Work/Life Balannce, etc.

セクハラやパワハラのない組織、社会的責任をきちんと認識し、非倫理的な行為をやらない組織、プライベートな時間も相応に取れるような労働条件、こうした働きやすい職場としての基本的な要件は、一言でいえば「組織文化」です。優れた組織文化において、人は仕事に熱心に取り組み、成果につなげることができます。

以上10のエンゲージメントドライバーは他の調査研究でも、表現や括り方は異なれど、ほぼ同じです。

また、私自身が関わった従業員エンゲージメント調査でも、これらのドライバーは、従業員エンゲージメントを左右する大きな要因であることが検証できています。

⇒ Human Resources Solutions 

 

執筆:松尾順 Certified Net Promoter Expert

Net Promoter®およびNPS®は、ベイン・アンド・カンパニー、フレッド・ライクヘルド、サトメトリックス・システムズの登録商標です。
Net Promoter®and NPS®are registered service marks of Bain & Company, Inc., Fred Reichheld and Satmetrix Systems, Inc.