接客

印象に残る接客ー「JINS」のケース

接客パソコンなどのモニターから出るブルーライトをカットする「JINS PC」で知られる眼鏡専門店「JINS」では、店舗での商品購入者対象のアンケートを通じて、接客サービスの改善に役立てています。

さて、アンケートの結果の中で、JINS担当者が衝撃を受けたことがありました。

それは、自由回答欄に記入された

「接客がなかった」

というコメントです。

お店に来店し、最終的にメガネを購入しているわけですから、接客を受けてはいるはず。それでも「接客がなかった」というコメントになったのは、印象に残るような接客ができていなかったことを表していますね。

JINSでは、この結果を受けて、形式的な決まり文句(「ご覧になってください」など)だけでなく、顧客に対して具体的な提案(「お薦めはこちらです」等)を行うようにしたところ、アンケートの「接客対応」の項目の中にある「フレンドリー」という評価が突出して向上したとのこと。

JINSのこのケースは、先日ご紹介したヴァージンメディアの取り組みと共通したところがあります。

ヴァージンメディアの技術者(テクニシャン)が、CATVやインターネット接続サービス用のセットトップボックスの設置や修理のためにユーザーの自宅を訪問した際のカスタマーエクスペリエンスをNPS®(Net Promoter Score:ネットプロモータースコア)で測定したところ、次のような結果が出たのです。

A.故障などの問題を解決し、かつ接客が優れていた場合 ⇒+74

B.故障などの問題を解決したが、接客が印象に残らなかった場合 ⇒+26

C.故障などの問題を解決したが、接客が劣っていた場合 ⇒-44

Cの場合を見ればわかるように、たとえ問題は解決しても接客が良くないと、NPSはマイナスになってしまうのですね。

注目してもらいたいのはBです。問題は解決したけれど、接客がありきたりで顧客に印象を残せなければ、接客が良かった場合のAと比較すると50ポイントほども低くなるのです。

ヴァージンメディアでは、この結果をもとに、技術者の個性を活かし、顧客の感情にインパクトを与えらえれるような接客が行えるような研修を行い、顧客ロイヤルティの改善に成功しています。

下町の八百屋さんなどをイメージしてもらうといいと思うのですが、個人商店などでは、そもそも接客は店主・店員さんの個性丸出しのフレンドリーなものですね。

しかし、大規模展開するチェーン店では、均質なサービスを目指すがゆえにマニュアル化が進みすぎ、個性が消され、平板な対応しかできない店員さんばかりとなりがち。

顧客ロイヤルティ向上のためには、個性を活かした印象に残る接客サービスを追求できる教育・研修を展開する必要があるでしょう。

*JINSのケースは、日経産業新聞(2014/11/26)の記事から引用しています。

関連記事・リンク:

「印象に残るような接客じゃないと効果がないんです!」

⇒JINS Webサイト

 

執筆:松尾順 Certified Net Promoter Expert

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