「アニュアルレポート」でNPS®を報告している企業ってありますか?

Customer hand writing with a blue markNPS®(Net Promoter Score:ネットプロモータースコア)を経営におけるKPI(Key Performance Indicator:重要業績評価指標)として採用し、「アニュアルレポート」(年次事業報告書)においてその数値の変化を報告している企業が近年増えています。

たとえば、オランダに本社を置く総合エネルギー会社、ENECOでは「カスタマージャーニーマネジメント」に取り組んでおり、NSPは2011年から測定しています。

その数値は以下のグラフでおわかりのように、2011年が「-20」、2012年は「-18」2ポイント改善したものの、2013年は「-20」と逆戻りしています。2013年の目標は「-17」でしたので、目標達成ならずです。

目標達成できなかった理由として同社のアニュアルリポートでは、NPSの数値を改善するための取り組みに遅れが生じたこと、例えば新しいCRMシステムの導入などが予定通りに進まなかったことを挙げています。

ENECO_NPS2011-2013

(出所:ENECO社 アニュアルレポート2013

 

また、日本でも知名度が高い、ドイツ本社のヨーロッパ最大級のソフトウェア会社「SAP」でも、同社アニュアルレポート、SAP Group and Market Environmentのセクションにおいて、「Customer Loyalty」の現状をNPSの数値を示しながら報告しています。

SAPでは、2012年のNPSは「8.9」でしたが、2013年には「12.1」となり、「3.2」の向上を示しています。(同社では、NPSの数値を小数点一位までで算出しているようですね)

同社は、このNPSの向上について、顧客の声を聴き、顧客のニーズにこたえることにこだわる(コミット)したことの反映だと述べています。

大手通信会社、ボーダフォンでは、アニュアルレポートで主なKPIの達成度合いを報告していますが、その中にNPSが含まれています。同社の場合は、事業展開している21市場のうち、NPSがナンバーワンの市場の数を増やしていくことを目指しています。2013年現在では、ナンバーワンの市場は8つであり、同社としてはさらなる努力が必要と考えています。

ついでながら、ボーダフォンでは、「従業員エンゲージメント」もKPIのひとつです。測定方法は不明ですが、高いエンゲージメントを示している層の比率が現状78%であり、2013年においては維持できていることが報告されています。

Vodafon KPIs

(出所:Vodafon Year in Review 2013

 

執筆:松尾順 Certified Net Promoter Expert

Net Promoter®およびNPS®は、ベイン・アンド・カンパニー、フレッド・ライクヘルド、サトメトリックス・システムズの登録商標です。
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